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Excelでよく起きるエラーの種類と原因、そして解決法を詳しく紹介

この記事では、やっかいなエクセル(Excel)のエラーの種類と原因、そして、解決法を紹介します。

エクセル(Excel)でよく見かける8種類のエラー

数式や関数を使用した際に、[#DIV/0!]や[#N/A]などのエラーが表示されることがあります。エラーは、セルに入力した数式の入力に誤りがあるときや何らかの理由で、正常に処理されないとき、不具合があるときに表示されます。エラーの原因を正しく修正するには、何が原因かを突き止めてなければなりません。

この記事では、エクセル(Excel)でよく見かけるエラー表示とその原因、そして解決法を示しますので、参考にしてください。

 

[#DIV/0!] 数値を0(ゼロ)で割り算している

原因 解決法
数式の分母が「0」(ゼロ)または空欄のセルを参照している セルに「0」以外の値を入力する
数式をコピーしたときに、空欄のセルを参照している 正しいセル参照を入力するか、IFERROR関数を組み込む

値を「0」(ゼロ)で割り算したときに、[#DIV/0!]エラーが表示されます。

「0」を任意の数で割ることができますが(答えは0)、任意の数を「0」で割ることはできません。

データが何も入力されていない空欄のセルは、計算上、「0」として扱われます。ですから、任意の数を空欄のセルで割ってしまうと「#DIV/0!」が表示されます。

以下の例では、分母となるD5セルが空欄になっていること、つまり、「0」で割っていることが原因で、E5セルに[#DIV/0!]が表示されています。D5セルに「0」以外の値を入力すれば解決できます。

#DIV/0!の例

 

IFERROR関数の使い方、IFERROR関数を組み込んで対処する方法

ビジネスの現場では、販売個数が確定できていないため入力できない、なんてこともあるでしょう。そういった場合などに、(E列の)数式に、IFERROR関数を組み込んで、[#DIV/0!]の表示を消す方法を紹介します。

IFERROR関数の書式は、IFERROR(エラーの場合の値)です。ここでのは、[C3/D3]です。エラーの場合の値は、空欄(ブランク)を示す””](ダブルクォーテーションが2つ)にします。

ですから、E3セルの式は、[=IFERROR(C3/D3,"")]となります。

E3セルにIFERROR関数

 

この式を、D4セル、D5セルにコピーすれば、[#DIV/0!]の表示が消えます。E5セルの式は、[=IFERROR(C5/D5,"")]となります。

E5セルにIFERROR関数

 

[#N/A] 数式や関数に使える値がない

原因 解決法
VLOOKUP関数などで、引数[検索値]がない、[検索値]が[検索範囲]にない 引数に指定している内容を確認し、正しく設定しなおす

関数や計算式に使用できる値がないときなどに、[#N/A]エラーが表示されます。

以下の例では、B2セル~C7セルの表のB列から、E3セルに入力した商品名[検索値]を調べて、C列の価格をVLOOKUP関数で表示させています。F3セルには[=VLOOKUP(E3,B3:C7,2,0)]という数式が入っています。

F3セルにVLOOKUP関数

 

ここで、検索の対象[検索値]となるE3セルを空欄にすると、VLOOKUP関数は「#N/A」というエラー表示になります。

E3セルを空欄に

 

また、[検索値]である「キャベツ」が、[検索範囲]であるB2セル~C6セルにないにも、VLOOKUP関数は「#N/A」というエラー表示になります。

左の表にはキャベツがない

 

VLOOKUP関数のエラー解消法

VLOOKUP関数のエラー解消法については、動画あり!ExcelのVLOOKUP関数の使い方|指定の列と同じ行にある値を返すの記事で詳しく説明していますので、参考にしてください。

 

[#VALUE!] 数式や関数の引数に入れるデータの種類が間違っている

原因 解決法
数式や関数で参照しているセルに文字列が含まれている 引数としてセル参照がある場合などは、参照先のセルに数値が入力されているか確認する
関数の引数に使っているセル参照が、コピーなどによってズレている 正しいセル参照に修正するか、IFERROR関数を組み込む

数値を入力するべき数式に、スペースや文字などの文字列が入力されると、[#VALUE!]エラーが表示されます。

エクセル(Excel)の数式には基本的に数値(数式や関数を含む)のみを入力してください。それ以外の値が入力されると正しく処理されず、エラーが表示されます。

以下の例では、C4セルに「価格」という文字が入力されているため、[#VALUE!]エラーが表示されています。

c4セルに文字が入力されてエラーに

 

SUM関数は文字列が含まれていても「#VALUE!」にはならない

SUM関数で合計を求める際、合計する範囲内に文字列が含まれていても、「#VALUE!」にはなりません。これは、SUM関数が文字列を無視する仕様だからです。

以下の例では、C4セルに「価格」と文字が入力されています。SUM関数の範囲にC4セルは含まれていますがエラー表示にはなっていないことが確認できます。

SUM関数は文字が入力されていても大丈夫

 

[#REF!] 数式や関数に使われているセル参照がなくなった

原因 解決法
参照していたセルが削除されているか、移動している 削除したセルにもう一度データを入力する、セル参照を正しく修正する

数式のセル参照が、セルやワークシートの削除によって誤りがあるときなどに、[#REF!]エラーが表示されます。

以下の例では、D3セルには、「=B3+C3」という数式が入っています。

D3セルに足し算

 

ここで、数式の参照先であるB列やC列を削除してしまうと、D3セルの数式は「#REF!」というエラー表示になります。

B列を誤って削除

 

参照先を削除したときの数式とSUM関数の違い

今、D4セルには、数式[=B4+C4]が入っています。一方、D8セルには、SUM関数[SUM(B8:C8)]が入っています。

数式とSUM関数

 

ここで、C列を削除してみます。

C列を選択

 

数式は、[#REF!]エラーが表示されますが、SUM関数の方は問題ありません。

数式はエラーしますがSUM関数は大丈夫です

 

[#NAME?] 関数のつづりを間違えたり、間違った[名前]が入力されている

原因 解決法
入力した関数名のつづりが間違っている 関数名を正しく入力しなおす
[&]で文字列をくみあわせるとき、[""](ダブルクォーテーション)をつけ忘れている 文字列の前後に[""](ダブルクォーテーション)をつける
テーブルに設定していない構造化参照の[名前]を入力している テーブルや列に設定した[名前]を確認して、正しく入力しなおす

間違った関数名が入力されると、[#NAME?]エラーが表示されます。また、文字列演算子[&](アンド、アンパサンド)で文字列を結合した際、文字列を[""](ダブルクォーテーション)で囲んでいなった場合にも[#NAME?]エラーが表示されます。これらのほかにも、テーブルを設定している際に、テーブルの参照名が間違っている場合などにも[#NAME?]エラーが表示されます。

 

以下の例では、関数名のつづりが間違っているため、F3セルに[#NAME?]エラーが表示されます。

[#NAME?]エラーが表示されます。

 

関数を入力する際は、関数のナビゲーションを利用するようにしましょう。目的の関数(ここではVLOOKUP関数)を選び、[Tab]キーを押して選択します。

関数のナビからVLOOKUP関数を選択

 

[#####] セルに表示できない数値が入力されている

原因 解決法
セル幅より長いケタの数値が入力されている 数値がすべて表示されるようにセルの幅を広げる
日付や時間を計算をする際に答えがマイナスになる数式を入力している 答えがマイナスにならない数式に修正する

セル幅より長いケタの数値が入力されると、[#####]エラーが表示されます。単に列の幅が足りないだけですので、列の幅を広げれば簡単に解消できます。

[列の幅の自動調整]などを使用してください。[列の幅の自動調整]のアクセスキー、[Alt]→[H]→[O]→[I](オルトほい)もおすすめです。

 

以下の例では、B3セル~B7セルが列の幅が足りないため、[#####]エラーが表示されます。

列幅が足りないためのエラー表示

 

列全体を選択するショートカットキー[Ctrl]+[Space]で、B列全体を選択し、

B列全体を選択

 

[列の幅の自動調整]のアクセスキー、[Alt]→[H]→[O]→[I](オルトほい)で、列幅を確保してあげればエラー表示は解消されます。

列幅が足りずに表示されたエラーが解消

 

[#NUM!] 引数に間違ったデータが入力されている

原因 解決法
指定できる数値が限られている引数に、間違った数値を指定している 関数の引数をよく見て、正しい範囲の数値に修正する

数値を指定しなければならない引数に文字列を指定したり、引数に指定する数値の範囲を超えている場合に、[#NUM!]エラーが表示されます。

 

以下の例では、D3セルに、売上金額が3番目の営業所を表示しようと、SMALL関数を入力した際、SMALL関数の第2引数の[順位]の数値を「3」とすべきところを、誤って「5」と入力してしまったため、[#NUM!]エラーが表示されます。[配列]は、B3セル~B5セルですから、3番目までしか指定できないのに、「小さい方から5番目を表示しなさい」と、あり得ない数値を指定してしまっているのです。

SMALL関数の引数の間違い

SMALL関数の書式:SMALL(配列,順位)

 

[#NULL!] セル参照に使う記号が間違っている

原因 解決法
セル範囲への参照を、[:](コロン)や[,](カンマ)ではなく、(半角の空白)で入力している (半角の空白)を[:](コロン)か[,](カンマ)に修正する

共通部分がない2つの領域の共通部分を指定した場合や、範囲演算子([:](コロン)や[,](カンマ)のこと)の指定が間違っている場合に、[#NULL!]エラーが表示されます。

 

以下の例では、E3列に[=SUM(A3:A5,C3:C5)]という[,](カンマ)で区切ったSUM関数を入力すべきところを、[=SUM(A3:A5 C3:C5)]とセル範囲の共通部分を指定する参照演算子[ ](半角空白)を入力したSUM関数としてしまっているため、[#NULL!]エラーが表示されています。

参照演算子の間違い

 

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参考文献

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