Excelで連番(通し番号)を振るとき、「1、2」と入力し、セルの右下をドラッグする「オートフィル」は定番ともいえる操作です。
ですが、行を入れ替えた場合などに、番号の振り直しが必要となります。
そこでこの記事では、振り直しをする必要のない連番(通し番号)をつくる、ROW(ロウ)関数を使ったテクニックを紹介します。
通し番号を振るときはROW関数が便利
会員名簿や商品管理表などの表を作る際、左端の列に通し番号を振ることがよくあります。
この通し番号を振る操作としては、「1、2」と入力し、セルの右下にある四角をドラッグ、もしくはダブルクリックする「オートフィル」を使う方が多いのではないでしょうか。
この方法で振った通し番号は、行を入れ替えたり、行を追加、削除したりすると、連番(通し番号)ではなくなってしまうというデメリットがあります。
行を入れ替えたり、追加、削除したりする度に、通し番号を振り直すのは非効率。
そこでおすすめしたいのが、ROW関数を使って通し番号を振るテクニックです。
引数を入れずROW()として使えれば十分
ROW関数は、ROW関数が入力されている行番号を返す関数です。
Excelのヘルプでは、ROW([範囲])と説明されています。
ですが、実務では、ROW()として使うことがほとんどです。
ROW関数を[ROW()]として括弧の中の引数(ひきすう)に何も入力しないで使用すると、ROW関数が入力されている行番号が表示されます。
A列に、[=ROW()]と入力します。
すると、行番号と同じ値が表示されます。
この値は、行番号を示しているので、行を入れ替えたり、追加、削除しても変わりません。
このROW関数でつくった番号を通し番号とすれば、振り直しが不要な自動で修正される通し番号の完成です。
3行目から通し番号を振るには
では、ROW関数を使って、以下のように、3行目から通し番号を振るにはすればよいでしょうか。
簡単に作ることができます。要は、行番号から2を引けばよいわけです。
ですから、A3セルに、[=ROW()-2]と入力します。
そして、A列全体にコピーします。
TEXT関数と組み合わせて使う
今、A列に、[001-01、002-01、003-01・・・]という商品コードのようなデータをつくりたいとします。
このような右端の数値以外が変化するデータは、Excelのフィルハンドルではつくることができません。
やり方はいろいろとありますが、TEXT関数とROW関数を組み合わせるテクニックを紹介します。
まずはROW関数を入力
まずは、A1セルに[=ROW()]と入力します。これで、A1に「1」が表示されます。
TEXT関数を入力
次に、この「1」を[001]のような3ケタで表示させます。
3ケタで表示させる方法として、ここでは、TEXT関数を使います。
TEXT関数の形式は、[=TEXT(値、"表示形式")]です。
この[値]のところをROW関数にします。
[表示形式]は、3ケタ表示にするわけですから、["000"]とします。
※ダブルクォーテーションで囲むのを忘れないように。
したがって、[=TEXT(ROW(),"000")]となります。
[-01]の部分は、文字列を結合するときに使用する[&](アンパサンド)を使って、[=TEXT(ROW(),"000")&"-01"]として完成です。
MOD関数と組み合わせて使う
ROW関数を、余りを求める関数、MOD関数と組み合わせて使う事例も紹介します。
ROW関数を、MOD関数と組み合わせるパターンとして多いのは、「1行おきにセルに色を付けて縞模様にする」ことではないでしょうか。
縞模様にするセル範囲を選択
まずは、縞模様にするセル範囲を選択します。
そして、縞模様にしたい表のいずれかのセル(ここでは、A1セル)を選択します。
条件付き書式を選択
[ホーム]タブのスタイルグループにある[条件付き書式]をクリックします。
新しいルールの選択
コンテキストメニューの[新しいルール]をクリックします。
数式を使用して、書式設定するセルを決定の選択
すると、[新しい書式ルール]ダイアログが開きます。
その中にある、[数式を使用して、書式設定するセルを決定]を選択します。
[次の数式を満たす場合に値を書式設定]ボックスに、[=MOD(ROW(),2)=1]と入力します。
あとは、[書式]ボタンをクリックして、好みの塗りつぶし色を選択します。
奇数行に色が付き縞模様に
[OK]をクリックすると、奇数行に色が付き縞模様が完成します。
「MOD(ROW(),2)=1」は、「行数を2で割った余りが1になる行」という意味です。
偶数行に色を付け縞模様にするには
一方、偶数行に色を付けて縞模様にする場合は、[次の数式を満たす場合に値を書式設定]ボックスに、[=MOD(ROW(),2)=0]と入力します。
「MOD(ROW(),2)=0」は、「行数を2で割った余りが0になる行」という意味です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
おすすめ記事
- Excel関数の基本的な使い方と応用テクニック辞典(関数一覧)
- Excel厳選ショートカットキー・印刷用・早見表PDF付き
- Windows10厳選ショートカットキー・早見表・印刷用PDF付き
- Word 厳選ショートカットキー・印刷用・早見表PDF付き
- PowerPoint 厳選ショートカットキー・早見表・印刷用PDF付き