【2022年版】読書で得られた情報・知識を仕事で活かす方法がサクッとわかる!

この記事は、
「読書はそれなりにしているのに、読書で得られた知識を仕事で活かせていない」
と感じている方に、
「読書を仕事につなげる」読書テクニックを簡潔にお伝えします。

 

進化論を提供したチャールズ・ダーウィンは、
思うにわたしは、価値あることはすべて独学を通じて学んだと思う。
と言っています。

 

これは、「本を通じて学び続けた」ということではないでしょうか。

では、「数多くの本を読めばいいのか?」

この問いに対する答えは、「外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術」の著者・山口周さんはその著書の中で、

引用

読書を通じて知識を得るというのは、シェフが食材を仕入れるようなものです。
しかし、仕入れた食材をそのまま顧客には出しませんよね。

シェフは、仕入れた食材を冷蔵庫にしまって、客の要望に応じてそれらの食材を組み合わせることで素晴らしい料理を生み出します。

知的生産に従事するビジネスパーソンも、さまざまな本から得た知識を貯蔵し、文脈に応じてそれらを組み合わせることで知的成果を生み出すことが求められます。

と述べ、読書量は必要だけど、読書で得た情報を整理・蓄積する方法、仕事の文脈に合わせて組み合わせる力も必要と言っています。

この本「外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術」では、

  • 仕事につなげる読書「6つの大原則
  • ビジネス書は何を読むべきか・ビジネス書の読書術
  • 教養書は何を読むか・教養書の読書術

などが述べられており、ユニークで「へぇ~」っと思う内容が盛りだくさんです。

  • Kindle Unlimited 対象
  • Audible 読み放題 対象

仕事につなげる読書「6つの大原則」

仕事につなげる読書「6つの大原則」

成果を出すには「2種類の読書」が必要

ここでいう、2種類の読書とは、「ビジネス書」と「教養書」を、それぞれ違う目的で、異なる方法で読むというもの。
著者・山口周さんは、ビジネス書を「規定演技」、教養書を「自由演技」と例え、両方を読むことを勧めています。

アイススケート競技でいえば、ビジネス書が「ショート」、教養書が「フリー」といった感じでしょうか。

 

そして、「ビジネス書」は、ビジネスパーソンとしての基礎体力をつくるために、読書ノートはとらずに、それほど多くない名著を繰り返し何度も読む。

教養書は、ビジネスパーソンとしての個性を育むために、興味が湧いた本、インスピレーションで選んだ本を読書ノートをとりながら、広く、浅く読む、と述べています。

教養書をビジネスパーソンとしての個性を出すために読むというのは、意外でした。

 

本は「2割だけ」読めばいい

「効果の8割は全体の2割によって生み出されている」というパレートの法則を聞いたことがある方もいらっしゃると思いますが、本から得られる効果・効用も、全体の2割によってもたらされると考え、いかにして「この2割の部分を見抜くか」に焦眉します。

  1. 「2割の部分」を見抜く方法として、「目次」を見て、「総括」や「結論」といった全体のまとめのような章があれば、まずそこを読む
  2. 「まとめ」らしき章を読んでも、「まとめ」っぽいことが書いてなかったという場合には、「目次」で「一番面白そうだ」と思える章、興味を引き立てられる章から読む

このときのテクニックとして、その章の段落冒頭の一文だけを読んでいき、面白そうだと思えたら、その章を読む。面白そうだと思えなかったら、目次に立ち返って、面白そうな章を選び、「段落冒頭一文読む」をするのだそうです。

 

「面白いか」の判断は、「段落冒頭の一文から次に読み進まずにはいられない、飛ばして読むなんてもったいなくてできない」と思えるかどうかが基準。

 

読書は「株式投資」と考える

読書は「消費行為」ではなく、「投資行為」。
「自分の時間」と「いくばくかのお金」というコストから、知識や感動、仕事上の評価や昇進・昇給といったリターン(人生における豊かさ)を得る行為ととらえます。

 

読書を投資行為と考えた場合、もっとも大きなコストは「自分の時間」です。

だから、「せっかく買った本なのだから全部読まなければもったいない」という発想はコストのムダでしかなく、これ以上時間を投入しても、追加で得られる豊かさは増えないと判断した時点で、その本の読書は終わりにします。

 

「忘れる」ことを前提に読む

本は読むだけでは成果につながりません。
たくさんの本を読み、大量かつ良質の情報をインプットしたとしても、それらのインプットを仕事の文脈に合わせて自由に活用できなければ意味がないのです。

ここでは、「インプットした情報を効率的にストックし、自由自在に活用できるか」がカギとなります。

 

ここで大事なのは、情報をストックするのは「脳内」ではない記憶力に頼っていけない、ということです。特に、教養書から得られる情報は、すぐに出番があるとは限りません。

ですから、重要と思われる箇所をデジタルデータとして保存しておくのです。

脳内という小さな貯蔵庫にストックされた情報だけでは、柔軟で示唆に富む知的生産を行うのは難しいと著者は述べています。

 

5冊読むより「1冊を5回」読む

一般的に読書家というと数多くの雑多な本を読んでいると思われていますが、こういう読み方は趣味の読書には許されるものの、知的生産を行うビジネスパーソンにとってはあまり有効ではありません。

こういう「広く浅い読書」を繰り返していても知的ストックは積みあがりません

大事なのは、何度でも読みたくなるような深みのある本を見つけて、それを何度でも読むことです。

 

「何度でも読みたくなる本」を見つけるためには、たくさんの本に浅く接します。
前述した「目次読み」や「章の冒頭一文読み」などを駆使し、何度でも読みたくなる本を見つけてください。

 

読書の「アイドルタイム」を極小化せよ

読書の「アイドルタイム」極小化には、10冊以上の本を同時進行で読むことがカギとなります。
ちなみに、著者の山口さんは、100冊以上の本を同時に読んでいるのだそうです。

この同時読みの狙いは、「アイドルタイム=生活の中で特に何もしていない」時間を、「今の気分に合う本」を絶え間なく読ことでミニマムにしようというものです。

 

例えば同時に3冊の本を読んでいるとします。
1冊が小説、もう1冊が宇宙論に関する本、さらにもう1冊が組織論に関するビジネス書としましょう。

すると、「どの本も気分じゃないな」というタイミングが生まれるはずです。
そうなってしまうと、せっかくの手持ち無沙汰の時間を読書のために使えない。

ところが、同時読みの本が20冊だとすると、「どの本も気分じゃないな」というタイミングはぐっと生まれにくくなります。

 

ビジネス書は何を読むべきか

「外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術」では、本を開いてすぐのところに、山口さんがまとめた本当に読むべき71冊を、読む順序まで示した「これだけ読めばいい!『ビジネス書マンダラ』」が記載されています。

どんなビジネス書を読むべきか悩んでいる人にとっては、これだけでも有益な情報といえるでしょう。

 

ビジネス書の読書術

また、次のようにも述べています。

引用

専門家としてその分野を追求していくということでない限りは、マンダラの中心からせいぜい2階層目までの読書で基礎教養としては十分で、あとはそのときの仕事上の要請に従って読んでいけばいい

その代わり、徹底的に読みこなす、「簡易版の解説書」ではなく原書を読むことと付け加えています。

 

著者・山口さんは、新刊のビジネス書に書いてあることのほとんどは、古典的名著といわれるビジネス書に書いてあることを、事例や業界を変えて繰り返し説明しているに過ぎないので、「新刊ビジネス書の9割は読む必要がない」と思っているそうです。

 

教養書は何を読むか

年齢が上がれば上がるほど、一般的に職位も上がり、それに応じて難易度の高い意思決定、これまでに経験のない問題に向き合うことが多くなります。
また、部下の数も増えていくでしょう。

このような「仕事環境の変化」が突きつける難問に対して、ビジネス書で得られる知識は「ほとんど役に立たない印象」と著者・山口さんは言います。

そして、こういった難問については、むしろ教養書の読書を通じて得られる「人間の性(さが)」や「組織や社会の特質」についての示唆が大きなヒントになるはず、と説きます。

 

さらに、1割の成果を出す人やコンサルタントの「エース」は、皆、教養書を読んでいると述べています。

では、教養書は何を読むのか。

現代のビジネスパーソンが教養を修めるために読むべきカテゴリー、ビジネスパーソンにとって有意義な事実や示唆が得られるカテゴリーを、著者・山口さんは以下の7つに分類します。

  1. 哲学(近・現代思想)
  2. 歴史(世界史・日本史)
  3. 心理学(認知・社会・教育)
  4. 医学・生理学・脳科学
  5. 工学(含むコンピューターサイエンス)
  6. 生物学
  7. 文化人類学

「心理学」などはイメージしていましたが、「医学・生理学・脳科学」は意外でした。
しかし、以下の理由を読んで納得!

理由(引用)

例えばビジネスパーソンにとって必須となりつつあるストレスマネジメントは大脳生理学の一分野ですし、セロトニン・ドーパミン・ノルアドレナリンといった神経伝達物質の働きは部下や対人関係のマネジメントに対して深い示唆を与えてくれます。

 

具体的な本選びは、「定番×なんとなく面白そう」から始めます。
役に立つかどうかよりも、面白いかどうかのほうを評価軸にします。

なじみのないジャンルで「定番」を見つけるには、書店の棚をのぞいてみることや書籍紹介の本がヒントになります。

各カテゴリーの初学者向けの定番書籍を手に取ってみて、ざっと目を通し、「面白く読めそうだ」と思うものを選ぶといった具合です。

 

他人は知らないけど自分が夢中になれる本をどれだけ読めるかが個性につながります

他人と違う知的成果を出そうと思うのであれば、「いかに他人と違う情報をインプットするか」という視点が必要です。

 

教養書の読書術

繰り返し読むビジネス書とは違い、教養書を読むときは、「読んだ内容は遅かれ早かれ、すべて忘れる」という前提で読むことです。

言い換えれば、どんなに内容の濃い、有意義な本であっても、読みっぱなしでは意味はありません。

仕事につなげる読書「6つの大原則」の1つ、「忘れることを前提に読む」で紹介した「重要と思われる箇所をデジタルデータとして保存しておく」ことが必須になります

 

ただし、重要と思われる箇所を抜き出す、転記するのは時間がかかる作業なので、

  • 本を「ノート」だと思ってどんどん書き込む
  • 外資系コンサル流「3回読み」読書術

という技術を駆使して、転記する箇所5~9カ所を厳選します。

 

デジタルデータの保存先・転記先は、「検索機能」の優れたツールがおすすめです。

著者・山口さんは「エバーノート」を愛用しているそう。

まとめ

仕事につなげる読書「6つの大原則」などの部分を中心にまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?

「本は2割だけ読めばいい」「10冊以上を同時進行で読む理由」「新刊ビジネス書の9割は読む必要はない」なんてユニークですよね。

「読書はそれなりにしているのに、読書で得られた知識を仕事で活かせていない」という方はぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

ここでは紹介していない「コツ」が多数掲載されていますよ。
※「Kindle Unlimited」 ・「Audible 読み放題」対象です。

 

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印象的なフレーズ

最後に、『本を「ノート」だと思ってどんどん書き込む』の章に、次のような印象的なフレーズがあったので紹介して締めくくりたいと思います。

引用

本というのは買ってきた時点では未完成な作品であり、読者と著者との対話を通じてさまざまな書き込みがなされることで作品として完成するものと考えています。

参考文献

  • 「外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術」(山口周 著)

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