京都

【無料・塗り絵】金閣寺(鹿苑寺) ~水面に映る「逆さ金閣」と極楽浄土の輝き~

皆様、こんにちは。塗り絵研究家の白河みなみです。

前回の東寺に続き、今回ご紹介するのは、京都観光のハイライトであり、世界中の人々を魅了し続ける**「金閣寺」**です。

修学旅行や観光で一度は訪れたことがある方も多いことでしょう。その眩いばかりの金色の姿は、何度見ても息をのむ美しさです。しかし、いざ「塗り絵」にするとなると、「金色」をどう表現すればよいのか、少し悩んでしまうモチーフでもあります。

単に金色のペンで塗るだけでは表現しきれない、光の当たり方や影の奥行き。そして、建物を囲む池や庭園との調和。今回は、室町幕府の将軍・足利義満が夢見た極楽浄土の世界と、その輝きの秘密に迫ります。歴史を知ることで、皆様の塗る「金」に、より一層の深みが出るはずです。

正式名称は「鹿苑寺」!将軍・義満が愛した北山文化の象徴

一般的に「金閣寺」の名で親しまれていますが、正式名称は**「鹿苑寺(ろくおんじ)」**といいます。これは、臨済宗相国寺派の寺院であり、相国寺の塔頭(たっちゅう)寺院のひとつです。

この地はもともと、室町幕府第3代将軍・足利義満が造営した別荘「北山殿(きたやまどの)」でした。義満の死後、遺言によって寺院となり、彼の法号である「鹿苑院殿」にちなんで鹿苑寺と名付けられました。

金閣寺は、武家文化と公家文化が融合した**「北山文化」**を象徴する建築物です。「銀閣寺(慈照寺)」が、侘び寂び(わび・さび)を基調とした「東山文化」の代表であるのに対し、金閣寺はその対極にある豪華絢爛な美しさを誇ります。

塗り絵においても、銀閣寺が墨絵のような静けさを意識するのに対し、金閣寺は鮮やかな色彩と光の表現が鍵となります。当時の権力者が追い求めた「美」の形が、この黄金の建築に凝縮されているのです。

【塗り絵】金閣寺(鹿苑寺)

【色見本】金閣寺(鹿苑寺)

黄金の「舎利殿」と「逆さ金閣」の絶景

金閣寺の最大の見どころは、やはり池の畔に佇む黄金の楼閣、**「舎利殿(しゃりでん)」**でしょう。 この建物は3層構造になっており、内外に金箔が貼られています。特に2層目と3層目には漆の上から金箔が施されており、太陽の光を浴びて神々しいほどの輝きを放ちます。

実は、この金閣は1950年に一度焼失しており、現在の建物は1955年(昭和30年)に再建されたものです。再建時には、当時の姿を忠実に再現するために約20万枚もの金箔が使われたと言われています。 1994年(平成6年)には、「古都京都の文化財」の一つとしてユネスコの世界文化遺産に登録されました。

塗り絵を楽しむ際の最大のポイントは、建物の前にある「鏡湖池(きょうこち)」です。 風のない晴れた日には、池の水面に金閣が映り込み、**「逆さ金閣」**と呼ばれる幻想的な光景が現れます。 実物の建物は光を受けて明るい金色(黄色やオレンジ、白に近いハイライト)で塗り、水面に映る「逆さ金閣」は少し彩度を落としたり、水の色(青や緑)を混ぜたりすることで、リアリティのある空間表現が可能になります。鏡のように澄んだ水面を描くか、風で揺らぐ水面を描くか、皆様の感性で演出してみてください。

圧巻の仏像群!教えを可視化した「立体曼荼羅」

建物の外観だけでなく、お堂の中に広がる世界も東寺の大きな魅力です。 特に「講堂」の中に安置されている**「立体曼荼羅(りったいまんだら)」**は必見です。

密教の教えは非常に奥深く、言葉だけで理解するのは難しいとされています。そこで空海は、その世界観を視覚的に伝えるために、大日如来を中心とした21躰(たい)もの仏像を配置しました。 平面の絵画として描かれることが多い曼荼羅を、仏像という立体物で表現したこの空間は、見る者を圧倒するパワーに満ちています。

また、東寺の本堂にあたる国宝の「金堂(こんどう)」には、本尊の薬師如来像と、それを守る日光菩薩・月光菩薩が安置されています。さらにその台座には、ユーモラスで個性豊かな表情をした十二神将が並び、荘厳さの中にも動きのある造形美を楽しむことができます。

四季折々の表情と「雪化粧」の美しさ

金閣寺は、季節によって劇的にその表情を変えます。 春には桜、夏には新緑、秋には紅葉が、黄金の建物を彩ります。背景に自然の色が入ることで、金色の輝きがより一層引き立ちます。

中でも特筆すべきは、冬の**「雪化粧」**です。 雪が降り積もった金閣寺は、白銀の世界に黄金色が浮かび上がり、言葉を失うほどの美しさを見せます。屋根に積もった雪の白、建物の金、そして池の周囲の松の緑や幹の黒。この色彩のコントラストは、塗り絵の題材としても最高にドラマチックです。

白い紙の余白を活かして「雪」を表現し、冷たく澄んだ冬の空気感を演出してみるのも、上級者の楽しみ方と言えるでしょう。冬の京都観光のポスターなどでも頻繁に使われるこの絶景を、ぜひご自身の手で再現してみてください。

庭園と散策の楽しみ

舎利殿ばかりに目が行きがちですが、金閣寺は庭園も素晴らしい場所です。 鏡湖池を中心とした池泉回遊式庭園(ちせんかいゆうしきていえん)は、国の特別名勝・特別史跡に指定されています。

池の中には大小さまざまな島や岩が配置されており、これらは日本列島や鶴亀などを表現しているとも言われています。塗り絵の背景として、こうした松の木や岩の配置を丁寧に塗ることで、日本庭園特有の奥行きや静寂感が生まれます。

また、順路を進むと、茶室「夕佳亭(せっかてい)」や、鯉が滝を登ると龍になるという故事にちなんだ「龍門の滝」などもあり、散策しながら様々な発見を楽しむことができます。

アクセスと拝観のポイント

最後に、金閣寺へのアクセス情報です。 JR「京都駅」からは、京都市営バスを利用するのが一般的です。「金閣寺道」バス停で下車し、徒歩約4分ほどで到着します。

拝観時間は通常9:00〜17:00で、年中無休です。世界的に有名な観光地であるため、特に紅葉のシーズンや連休などは大変混雑します。塗り絵のイメージを膨らませるために実物を観察したい場合は、比較的空いている早朝の時間帯(開門直後)を狙うのがおすすめです。朝の柔らかな光に包まれた金閣は、昼間とはまた違った優美な輝きを見せてくれます。

編集後記:あなただけの「黄金」を探して

金閣寺の「金色」は、見る人の心や、その日の天気によって違って見えます。 黄色い色鉛筆一本で塗るのではなく、黄土色や茶色で影をつけたり、白で光を表現したりと、色を重ねることで「輝き」を描く楽しさを味わってください。

次回は、京都屈指の景勝地であり、平安貴族も愛した「嵐山・渡月橋」をご紹介します。金閣寺の黄金色から一転、爽やかな緑や秋の紅葉など、自然の色彩豊かな世界へご案内しますので、どうぞお楽しみに。

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参考資料

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