皆様、こんにちは。塗り絵研究家の白河みなみです。
前回の清水寺に続き、今回ご紹介するのは、京都のみならず日本を代表する絶景スポット**「伏見稲荷大社」**です。
表紙やポスターなどで、朱色の鳥居がどこまでも続くトンネルの風景を目にしたことがある方は多いのではないでしょうか。国内外を問わず多くの旅行者を魅了し、「おいなりさん」の愛称で親しまれているこの神社は、塗り絵においても塗りごたえのある観光スポットの一つです。
鮮やかな朱色(しゅいろ)と、背後に広がる山の緑。このコントラストをどのように表現するかは、塗り手の腕の見せ所です。今回は、筆を進める前に知っておきたい伏見稲荷大社の歴史や、数千本もの鳥居が奉納された背景にある物語をご紹介します。
全国3万社の総本宮!商売繁昌の神様
伏見稲荷大社は、全国に約3万社あるといわれる「稲荷神社」の総本宮です。その歴史は非常に古く、奈良時代の和銅4年(711年)に稲荷大神がこの地に祀られたことに始まると伝えられています。以来、約1300年もの長きにわたり、五穀豊穣、商売繁昌、家内安全の守り神として、庶民から皇室まで幅広い信仰を集めてきました。
塗り絵本では、その威厳ある姿を線画で再現しています。特に注目していただきたいのは、豊臣秀吉が寄進したとされる巨大な「楼門(ろうもん)」や、重要文化財に指定されている本殿です。
本殿は「五間社流造(ごけんしゃながれづくり)」と呼ばれる建築様式で、その曲線美は実に見事です。建物の細部を塗る際は、安土桃山時代の豪華絢爛な気風を感じながら、屋根の重厚感や装飾のきらびやかさを色で表現してみてください(作品完成後アップします)。
圧巻の色彩世界「千本鳥居」の謎
伏見稲荷大社といえば、やはり**「千本鳥居」**でしょう。 朱色の鳥居が隙間なく並び、まるで赤いトンネルのようになった参道は、この世のものとは思えない幻想的な雰囲気を醸し出しています,。
なぜ、これほど多くの鳥居があるのでしょうか? 資料によると、鳥居を奉納する習慣が広まったのは江戸時代以降のこと。「願いが『通る』」や「願いが『通った』」という語呂合わせから、感謝のしるしとして鳥居を奉納する信仰が広まり、現在のような景観が形成されました,。
塗り絵を楽しむ際、この千本鳥居は最大のハイライトとなります。 単一の「赤」で塗りつぶすのではなく、光の当たり具合を想像してみてください。太陽の光が差し込む部分は明るい朱色に、重なり合って影になる部分は深い茜色に。グラデーションをつけることで、奥行きのある神秘的なトンネルが紙の上に浮かび上がります。
神様の使い「キツネ」と願掛け
境内を歩いていると、至る所でキツネの像に出合います。稲荷大神のお使いであるキツネは、ここ伏見稲荷大社のシンボル的な存在です。 絵馬もユニークで、キツネの顔の形をしたものが奉納されています。参拝者が思い思いに顔を描き入れた絵馬は、見ているだけで楽しい気持ちにさせてくれます。
また、境内の奥には「おもかる石」と呼ばれる試し石があります。灯籠の前で願い事を念じて石を持ち上げたとき、自分が予想していたよりも軽ければ願いが叶い、重ければ叶うのが難しいといわれる不思議な石です。
稲荷山への挑戦と絶景
伏見稲荷大社は、稲荷山全体を神域としています。千本鳥居を抜けた先も参道は山頂へと続いており、全てを巡る「お山巡り」は、ちょっとしたハイキングコースとなっています。
頂上まで登るには時間と体力が必要ですが、京都市内の街並みを一望できる絶景や、登りきった時の達成感は格別です。山頂へ向かう道のりには、無数の小さな社(やしろ)や石碑が点在し、信仰の歴史の深さを肌で感じることができます。
ちなみに、2月の「初午(はつうま)大祭」も多くの人で賑わう有名な行事です。冬の澄んだ空気感を表現してみるのも一興かもしれません。
アクセスと参拝のポイント
最後に、実際に現地を訪れる際の情報をご紹介します。 伏見稲荷大社へのアクセスは非常に良く、JR奈良線「稲荷駅」を下車してすぐ目の前です。また、京阪本線「伏見稲荷駅」からも徒歩約5分で到着します。
24時間参拝可能ですが、千本鳥居の朱色が最も美しく映えるのは、やはり陽の光がある時間帯です。一方で、夕暮れ時の少し薄暗くなった境内も、幽玄な雰囲気が漂い魅力的です。
編集後記:あなたの「赤」を見つけてください
伏見稲荷大社を彩る「朱色」は、魔力に対抗する色とも、生命の躍動を表す色とも言われています。 今回の塗り絵を通して、ぜひご自身の中にある「エネルギーの色」を表現してみてください。何本も連なる鳥居を一本一本丁寧に塗る作業は、心を整えるマインドフルネスな時間にもなることでしょう。
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