Excel(エクセル)の作業効率と正確さを10倍高める基本関数の1つ、SUMIF(サムイフ)関数は、[条件に合うセルを対象にして合計を求める]関数です。
[=SUMIF( 範囲 , 検索条件,合計範囲 )]という書式で表します。
範囲
条件に合うかどうかを判定する(条件判定の対象となる)セル範囲を指定します。
検索条件
データを合計するための条件を、数値、比較演算子やワイルドカードなどを使った式、文字列([""]ダブルクォーテーションで囲む)などで指定します。
合計範囲
データを合計する(集計する)セル範囲を指定します。※この合計範囲は、省略することができます。省略した場合は、範囲が合計の対象になります。
この記事では、SUMIF関数の基本的な使い方から比較演算子やワイルドカードを使う応用テクニックまでを説明します。
SUMIF関数の基本的な使い方
SUMIF関数の書式
SUMIF(サムイフ)関数は、条件に合うセルを対象にして合計を求める関数です。
[=SUMTIF( 範囲,検索条件,合計範囲 )]という書式で表します。
SUMIF関数の基本的な使い方
SUMIF関数を使って4月度、5月度、6月度の売上をそれぞれ合計してみます。
テクニック
日付から月を求めるには、MONTH関数を使います。
SUMIF関数を入力する範囲を選択
SUMIF関数を入力するF2セル~F4セルを選択します。
SUMIF関数を入力する
(日本語入力OFFで)F2セルに[=su]と入力します。
すると、SUMIFが表示されるので、SUMIFを選択し[Tab]キーを押します。
F2セルに[=SUMIF(]と入力されます。
範囲の指定
条件に合うかどうかを判定する(条件判定の対象となる)セル範囲を指定します。
ここでは、4月度を合計(集計)したいので、4月度が含まれるB2セル~B8セルを指定します。
ただし、5月度、6月度も求めるのでB2セル~B8セルが動かないよう絶対参照にします。
B2セルを選択します。
[Shift]+[Ctrl]+[↓](下矢印)と押し、B2セル~B8セルを選択します。
絶対参照にする
[F4](ファンクションキー)を押して、B2セル~B8セルを絶対参照します。
検索条件を入力する
[,](半角カンマ)を入力し、続けて、検索条件を入力します。今回の検索条件はE2セルに入力されているので、E2セルをクリックします。
[=SUMIF($B$2:$B$8,E2]と入力されます。
合計範囲を入力する
[,](半角カンマ)を入力し、続けて、合計範囲を入力します。
合計するのは、売上なので、売上が入力されているC2セル~C8セルを選択します。
先ほどと同じく、[F4](ファンクションキー)を押して、C2セル~C8セルを絶対参照します。
[=SUMIF($B$2:$B$8,E2,$C$2:$C$8]となります。
[Ctrl]+[Enter]で確定する
[Ctrl]+[Enter]と押して確定します。
※[=SUMIF($B$2:$B$8,E2,$C$2:$C$8)]の最後のカッコは入力しなくても、勝手に入力されます。
F2セル~F4セルに各月度の売上の合計が入力されます。
テクニック
[Ctrl]+[Enter]は、ほかにも便利な機能を備えており、Excel(エクセル)の作業効率アップには必須のショートカットキーですので、ぜひ使えるようになってください。このサイトでは、様々な記事で紹介しています。
検索条件に比較演算子を使う
各月の前半と後半の売上を分けて合計する
月の前半の売上と後半の売上の分析をするため、C2セル~C8セルの売上をSUMIF関数を用いて、15日までの売上と16日以降の分けて合計します。
テクニック
日付から日を求めるには、DAY関数を使います。
F2セルにSUMIF関数を入力する
(日本語入力OFFで)F2セルを選択し、[=su]と入力します。
すると、SUMIFが表示されるので、SUMIFを選択し[Tab]キーを押します。
F2セルに[=SUMIF(]と入力されます。
範囲の指定
条件に合うかどうかを判定する(条件判定の対象となる)セル範囲を指定します。
ここでは、日で判定するので、B2セル~B8セルを指定します。
検索条件を入力する
[,](半角カンマ)を入力し、続けて、検索条件を入力します。
「15日まで」を式で表すと["<=15"]となります(詳しくは以下を参照のこと)。
テクニック
関数内で不等号や等号(比較演算子)を使用するときは、ダブルクォーテーション[""]で囲む。
[=SUMIF(B2:B8,"<=15"]と入力します。
SUMIF関数で使える不等号や等号(比較演算子)
Excel(エクセル)関数内で使用するときは、指定する条件を、ダブルクォーテーション[""]で囲んでください。
演算子 | 使用例 | 意味 |
> | ">100" | 100より大きい |
>= | ">=100" | 100以上 |
< | "<100" | 100より小さい(未満) |
<= | "<=100" | 100以下 |
= | "=100" | 100に等しい(同じ) |
<> | "<>東京" | 東京に等しくない |
合計範囲を入力する
[,](半角カンマ)を入力し、続けて、合計範囲を入力します。
合計するのは、売上なので、売上が入力されているC2セル~C8セルを選択します。
[Enter]で確定する
[Enter]と押して確定します。F2セルに15日まで(日度が15以下)の売上が合計されます。
F3セルにSUMIF関数を入力する
(日本語入力OFFで)F3セルに、[=su]と入力します。
すると、SUMIFが表示されるので、SUMIFを選択し[Tab]キーを押します。
F3セルに[=SUMIF(]と入力されます。
範囲の指定
条件に合うかどうかを判定する(条件判定の対象となる)セル範囲を指定します。
ここでは、日で判定するので、B2セル~B8セルを指定します。
検索条件を入力する
[,](半角カンマ)を入力し、続けて、検索条件を入力します。
「16日以降」を式で表すと[">=16"]となります
[=SUMIF(B2:B8,">=16"]と入力します。
合計範囲を入力する
[,](半角カンマ)を入力し、続けて、合計範囲を入力します。
合計するのは、売上なので、売上が入力されているC2セル~C8セルを選択します。
確定する
F3セルに16日以降(日度が16以上)の売上が合計されます。
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検索条件にワイルドカード[*]を使う
特定の文字列が含まれるセルを検索条件にする
A2セル~A8セルに特定の文字列が含まれるかどうかを検索条件にしてSUMIF関数で合計を求めます。
E2セルにSUMIF関数を入力する
(日本語入力OFFで)E2セルを選択し、[=su]と入力します。
SUMIFが表示されるので、SUMIFを選択し[Tab]キーを押します。
E2セルに[=SUMIF(]と入力されます。
範囲の指定
条件に合うかどうかを判定する(条件判定の対象となる)セル範囲を指定します。
ここでは、A2セル~A8セルに特定の文字が含まれるかどうかで判定するので、A2セル~A8セルを指定します。
検索条件を入力する
[,](半角カンマ)を入力し、続けて、検索条件を入力します。
A2セル~A8セルの文字列を見ると、「A」+「任意の文字列」という形になっています。
「A」と「任意の文字列」を意味するワイルドカード*を使って、["A*"]としたいところですが、次に「B」や「C」もあるので、汎用性のある形にしておきます。
「A」はD2セルに入力されているので、これを使います。
結合演算子&を使って、[D2&"*"]とします。こうすることで、["A*"]を汎用性のある形にできます。
D2セルは、[=SUMIF(A2:A8,D2&"*"]となります。
合計範囲を入力する
[,](半角カンマ)を入力し、続けて、合計範囲を入力します。
合計するのは、売上なので、売上が入力されているB2セル~B8セルを選択します。
絶対参照にしておく
D3セルやD4セルに式をコピーすることを想定して、範囲であるA2セル~A8セルと、合計範囲であるB2セル~B8セルを絶対参照にしておきます。
絶対参照にするときは、[F4](ファンクションキー)を使うと便利です。
[A2:A8]の部分を選択し、[F4]キーを押します。
すると、[=SUMIF($A$2:$A$8,D2&"*",B2:B8]となります。
つづけて、[B2:B8]の部分を選択し、[F4]キーを押します。
すると、[=SUMIF($A$2:$A$8,D2&"*",$B$2:$B$8]となります。
[Ctrl]+[Enter]で確定する
[Ctrl]+[Enter]と押して確定します。
商品コードに「A」を含む、B2セルとB4セルの売上が合計されました。
フィルハンドルを使う
B3セル以下に式をコピーします。
E2セルの右下にカーソルを動かすと、カーソルの先端が[+]に変わるところがあります。
カーソルの先端が[+]に変わったら、ダブルクリックします。
テクニック
E5セルまでドラッグしてもかまいませんが、実務では、データがタテに長いこともしばしばです。このダブルクリックを覚えておきましょう。
式がコピーされる
式がE5セルまでコピーされました。
以下では、うまくいっていないE6セルの検索条件を修正していきます。
特定の文字列が含まれるセルを検索条件にする2
A2セル~A8セルの文字列を改めて見ると、「任意の文字列」+「200」という形になっています。
E2セルのSUMIF関数を修正する
E2セルは、[=SUMIF($A$2:$A$8,D2&"*",$B$2:$B$8]となっています。
[D2&"*"]では、任意の文字列が後ろにあるときにしか、うまくいきません。
そこで、["*"&D2&"*"]として、任意の文字列が前後どちらにあっても対処できるようにします。
E2セルの式を、[=SUMIF($A$2:$A$8,"*"&D2&"*",$B$2:$B$8]とします。
確定する
[Ctrl]+[Enter]として確定し、フィルハンドルをダブルクリックして、式をコピーします。
これで、E5セルが正しく表示されます。※わかりやすいように色をつけています。
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