平均といっても、数値の平均値、文字データを0とした平均値、指定した条件に合致する数値の平均値、指定した複数の条件をすべて満たす数値の平均値、フィルタで絞られた数値の平均値、非表示部分を除く数値の平均値など様々です。
この記事では、算術平均、相加平均と呼ばれる平均値を求める5つのExcel関数を紹介します。
AVERAGE | 数値の平均値を求める |
AVERAGEA | 文字データを0として平均値を求める |
AVERAGEIF | 指定した条件に合致する数値の平均値を求める |
AVERAGEIFS | 指定した複数の条件をすべて満たす数値の平均を求める |
SUBTOTAL | フィルタで抽出した数値の平均値、非表示部分を除く数値の平均値を求める |
AVERAGE(アベレージ)関数の書式
AVERAGE(アベレージ)関数は、数値の平均値を求める関数です。文字データは無視されます。
[=AVERAGE( 数値1[,数値2]・・・ )]という書式で表します。
数値
平均を求める値やセル範囲を指定します。
アベレージ | 書式 |
AVERAGE関数 | ( 数値1[,数値2]・・・ ) |
AVERAGEA(アベレージ・エー)関数の書式
AVERAGEA(アベレージ・エー)関数は、文字データを0として平均値を求める関数です。
[=AVERAGEA( 数値1[,数値2]・・・ )]という書式で表します。
数値
平均を求める値やセル範囲を指定します。
アベレージ・エー | 書式 |
AVERAGEA関数 | ( 数値1[,数値2]・・・ ) |
AVERAGE関数とAVERAGEA関数の違い
AVERAGE関数は、売上合計を、文字データであるB5セルを除く6人で割った平均値を返します。
一方、AVERAGEA関数は、売上合計を、文字データであるB5セルの値を0として7人で割った平均値を返します。
AVERAGEIF(アベレージ・イフ)関数の書式
AVERAGEIF(アベレージ・イフ)関数は、指定した条件に合致する数値の平均値を求める関数です。
[=AVERAGEIF( 条件範囲,条件[,平均範囲] )]という書式で表します。
条件範囲
条件判定の対象となるデータが入力されているセル範囲を指定します。
条件
平均を求める対象のデータを検索するための条件を指定します。
平均範囲
平均を求める対象の数値が入力されているセル範囲を指定します。指定を省略すると、条件範囲のデータが計算の対象になります。
アベレージ・イフ | 書式 |
AVERAGEIF関数 | ( 条件範囲,条件[,平均範囲]) |
C9セルには、条件範囲をA2セル~A8セル、条件をA9セル、平均範囲をC2セル~C8セルとする、=AVERAGEIF(A2:A8,A9,C2:C8)という式が入っています。
条件であるA9セルに合致する(ここでは、営業1課)3人の平均売上が返されています。
C10セルには、営業2課、4人の平均売上が返されています。
AVERAGEIFS(アベレージ・イフ・エス)関数の書式
AVERAGEIFS(アベレージ・イフ・エス)関数は、指定した複数の条件をすべて満たす数値の平均を求める関数です。
[=AVERAGEIFS( 平均範囲,条件範囲1,条件1[,条件範囲2,条件2]・・・ )]という書式で表します。
平均範囲
平均を求める対象の数値が入力されているセル範囲を指定します。
条件範囲
条件判定の対象となるデータが入力されているセル範囲を指定します。
条件
平均を求める対象のデータを検索するための条件を指定します。
アベレージ・イフ・エス | 書式 |
AVERAGEIFS関数 | ( 平均範囲,条件範囲1,条件1[,条件範囲2,条件2]・・・) |
SUBTOTAL(サブトータル)関数の書式
SUBTOTAL(サブトータル)関数は、指定した範囲を、指定した方法(合計・平均・個数等)で集計する関数です。
[=SUBTOTAL( 集計方法 , セル範囲 )]という書式で表します。
集計方法
1~11、101~111のいずれかの数値(番号)で指定します。
平均値を求めるには、1や101を指定します。
セル範囲
セル範囲は 1つだけでなく、2つ以上も指定できます。
サブトータル | 書式 |
SUBTOTAL関数 | ( 集計方法 , セル範囲 ) |
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小計が複数あるときはSUM関数よりSUBTOTAL関数を使おう!
フィルタで抽出した数値の平均値を求める
フィルタ機能を使って抽出した数値の平均値を求めるには、SUBTOTAL関数を使います。
SUBTOTAL関数の第1引数、集計方法には、1を指定します。
今、営業2課の5月6日の売上というふうに、A列とB列にフィルタをかけています。
このように、フィルタ機能で抽出されたデータの平均を求めるには、=SUBTOTAL(1,D2:D8)のように、SUBTOTAL関数を使います。
AVERAGE関数では、フィルタで抽出した数値以外も対象にしてしまうため、うまくいきません。
表示部分の数値の平均値を求める
一部の行を非表示にしている場合に、表示部分の数値の平均値を求めるには、SUBTOTAL関数を使います。
SUBTOTAL関数の第1引数、集計方法には、101を指定します。
今、2~4行目を手動で非表示にしています。
この場合に、非表示にされた部分を除いたデータ、表示されているB5セル~B8セルの平均を求めるには、=SUBTOTAL(101,D2:D8)のように、SUBTOTAL関数を使います。
AVERAGE関数では、非表示部分の数値も対象にしてしまうため、うまくいきません。
この記事で紹介したように、平均といっても、様々な場合があります。
どのような平均値が求めたいかに応じて、関数を使い分けてください。
最後まで、読んでいただきありがとうございました。
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